はじめまして、今年4月に、太気会に入会したNです。私なりの今回の交流会へ向けた対策と当日の感想を書かせて頂きます。
まず、私なりに交流会へ向けてテーマを設けました。「組み手の激しい動きの中で基本を崩さずにまもる」「集中力の持続」「闘争心の持続」です。この、3つのテーマを何とかクリアできないかと、今年8月の太気会夏合宿の組み手ビデオを見て自分の動きを検討してみました。まず、目に付いたのは、膝が硬く移動がスムーズにいってないことでした。つまり、基本ができてないという事です。少々悩みながら練習していたある日、先生から面白い話をしていただきました。膝にかかる荷重の分散の原理を東京タワーを例にとって、説明してくださったのです。タワーを横から見ると、全体が内側に沿った形をしており上下方向にかかる荷重は、全部真下へかかるのではなく横方向にも分散され非常に安定した状態でいる。と、いうものでした。そのお話を聞いた後、立禅のやり方を変えて以前より膝を内側へギュ、と入れるようにしました。なんとなく膝関節が楽になったと思ったころ、何気なくシャドーを行ったときに大きな変化を感じました。以前に比べ移動がずっと楽に速く出来るようになったのです。先生が以前より言われていた、「歩くように殴る、流れる様に移動する」の意味が少し分かった気がしました。その後、交流会の少し前に先生が組み手の相手をしてくださった時、明らかに以前の自分の動きより良くなったのを確認出来ました。その反面、先生の動きがより速く感じられたのです。ビデオを撮っていた訳ではないので感じたことを申しますと、先生の動きは直線ではなく曲線の動き、動物の様な動き、中でも肉食獣の動き(ヒョウやトラが獲物を捕らえる時に見せる手足が激しく動いているにもかかわらず、頭の位置が安定し獲物の首を噛む一瞬前に見せる複合フェイントの様な動き)の様に感じられました。私は以前フルコン空手をやっていたせいか太気会に入会した頃の組み手の動きは直線的、動物にたとえると牛や猪の動きでした。牛や猪は突進力はありますが,トラにはかないません。
交流会へ向け私の最大の課題は、基本であり、なかでも移動に関することでした。
いよいよ12.14交流会の日がやってきました。天気は素晴らしく晴れ、気分は爽快(と、言いたいところですが、実はキンチョー)確か当日は私が一番乗りでした。徐々に、関係者が集まってきて40人弱くらいになり、自然と立禅などの練習を全員が始めていきました。少し遅れて、気功会の島田先生が到着されました。練習している太気会、気功会の方たちを見て回り時にはアドバイスをしてらっしゃいました。初めて目の前にする島田先生の迫力が、以前本や雑誌などで読んだ伝説的な話以上のものを感じました。しばらくして先生の「それでは始めます。」の号令で全員が円を作るように集まり、独特のフィールドが出来上がりました。最初に先生と島田先生のお話を拝聴した後、先生方、生徒の方々、雑誌社の方々が見守る円陣の中央で組み手が開始されました。次々と激しい組み手が行われる様子を見守りながら、いつ自分が指名されるかその不安感が徐々に大きくなっていったのも事実です。
自分のテーマ「基本を守る」を極力実行するため、また「集中力の持続」「闘争心の持続」に気持ちを切り替えるため、以前練習で行った先生やO先輩との組み手の時のことを思い出してみました。先生に凹凹にされ、先輩のOさんに潰された(もちろん手加減してくださっていますが)時の事を思い出したのです。そうすると不思議なもので、気持ち的には少し落ち着いてきたのです。多少、気が楽になった余裕をすべて組み手の中で、基本への忠実さを守る努力にあてようと思いました。いよいよ、自分が指名され立ち会ってみると相手の方の突進力が非常に強い為、「これは、あまりお付き合いしないほうがよいな。」と判断しこちらから突進するのはやめ、出来るだけ膝を柔らかくしなるべくスムーズな移動をする様に努力しました。本当にそう出来ていたかはわかりません。後でビデオを見てみます。多分出来てないので見るのが怖いです。2人目の立会いの相手は、身長が高くとても懐が深く感じられました。その中に無理に飛び込もうとして、やや力仕事になってしまったと思いました。この時は膝が硬く、体が硬直して動きがあまりよくなかった様に記憶しています。自分の組み手が終わり他の方々の組み手を見学したことも大変勉強になりました。特に、R先輩と気功会のMさん、気功会の方々とI先輩の組み手の迫力とレベルの高さに圧倒されました。
無事全員の組み手が終わり、島田先生の経営なさっている中華料理店「青山一品」にて忘年会が開かれました。組み手の後という事もあり、料理とお酒のおいしさは格別でした。お酒を飲みながら今日の自分の組み手を振り返ってみて「自分は以前より上手くなったんじゃないかな。」という思いと「他から見てちゃんとやってたのかな?」と言う思いが同時に出てきました。何となくウジウジしていると隣に座っていらっしゃったR先輩に「だんだん、形になってきたな!」と言っていただき急にうれしくなりました。気分が高揚した私は酒の力も手伝ってグラスを片手に持ち、島田先生の座ってらしゃる席の近くへ移動しいろいろなお話を聞かせていただきました。一番印象に残っているのは、「ただ前に出るのではなく、こう動く!動物は皆こうしてるんだ。」と身振りを交えて説明してくださった時のことです。「あ、これは先生の動きと似ているな」と気付きました。太気拳を学び本当に強くなった人たちは、一種独特の動きや感性を共有しているのではと、感じました。また、島田先生は「もっと立禅しなさい。基本をもっとやった方が良い。」ともおっしゃってくださいました。その強さ故、人から伝説を語られるほどの島田先生に直接お会いできご指導していただいた事も、この日の大きな収穫でした。H15.12.4日曜日は私にとって最高の日でした。今後の交流会、また合宿で「最高」と言えるよう、練習を続けていきたいと思っています。
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