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島田先生の講習会の感想と初めての組手体験記 奥津宣幸 2002/01/20

 太気会東神奈川支部に入会して1年半になる奥津と申します。

 私は33歳から太気拳を始め、武術経験もありませんでしたが、東神奈川支部の大関先生そして太氣会代表の天野先生による大変親身な指導のおかげで、私が習い事した中で一番長い一年半という期間、太気拳を続けることができました。組手はまだ先のことと思っていましたが、大関先生の勧めにより、とうとう太気拳の組手に挑戦することとなりました。組手についてはまだ見たこともなかったので正直かなりビビっていましたが、組手前に島田先生の講習があると聞き、そのことは楽しみにしていました。

1. 島田先生の講習会について

 島田先生のことは、漫画家の板垣啓介先生の著書に書かれた組手体験談や秘伝での島田先生の初インタビューを読み、鬼のように強いということと大変味のあるインタビューの内容から先生のおおらかな性格が感じられ、一度、見てみたいと思っていました。(本当は、お会いしたいと書くのが正しいですね。希少な生物を見るような表現で申し訳ありません。)

 そして、当日、島田先生には、澤井先生から伝授された太気拳の基本である立禅・歩法・打撃を指導していただきました。島田先生の動きはどっしりと腰を落としながら時には機敏に動くという、まるで重戦車がときにF1車のコーナリングを見せるというような素晴らしいものでした。また天野先生とも雰囲気が違い、島田先生の『太気拳は爆発だ。』という言葉のとおりに、動きながらいつでも最大の力が出せる状態を維持しているのが感じられました。
 太気拳の基本ができていれば先生がたのような動きができるのだということが実感でき、基本をもっと練習していこうと思いました。

2. 組手について

 島田先生の講習の後、とうとう組手が始まりました。
 最初は、中堅どころの先輩同士からの組手から行われました。相手が攻撃してこようが後退せず反撃をする先輩方の組手を見て、こんなことが自分にできるのとかなり不安になりました。(当然、できるわけがありません。)
 その後は、キックや空手経験者で太気拳組手が初めての方々の組手が行われましたが、先輩同様に勇気ある組手を行い、ますます不安になりました。
 そして、私が指名され、始めの方に組手を行った中堅の先輩が相手となりました。その先輩は先の組手で直突きを有効に決めてきたので、できるだけ動きまわり、直突きがくる瞬間に横に回りボディーを打つということを心がけて組手に望みました。
 実際に組手が始めると先輩が余裕をもって私の攻撃を待つ形となり、私はその余裕に対し攻撃を出すことを躊躇しながら、横に動きボディーをねらい、先輩が反撃すると逃げるという情けないパターンを繰り返し、組手を終えました。
 反撃を恐れて逃げてしまい、中に入り推手の感覚で組手ができなかったことは反省していますが、組手独特の緊張感は日常生活にない刺激的なもので、再度挑戦してみたいと思ってしまいました。
 相手の中に入れなかったのはまだ推手に自信がなかったことが原因だと思いますので、今後はこの組手の感覚を忘れずに推手の練習を行い、自信をもって相手の中に入れるようにしたいと思います。又、この組手の後に足をつってしまったので基礎体力も鍛えなくてはいけないと思いました。(本当に情けなく思います。)

 しかし、まだ、私の組手体験は終わりませんでした。私の組手の後に指導員クラスの方々の組手が行われ、その後に天野先生との組手が行われましたが、私も天野先生に相手をしていただきました。
天野先生との組手は反省点を上げることもできないくらい全く話にならないものでした。
 とにかく天野先生の動きは素早すぎて目が追いつかず、私が攻撃をしようと手を出した瞬間、そこに先生の姿はなくなり、知らぬ方向から攻撃されました。先生の攻撃は寸止めというより、皮止め(肉止めと言ったほうが正しいかもしれません。)で、素早い動きの中から先生の拳が気持ちよく鼻にムニュッと食い込む、がダメージは全くないという素晴らしいものでした。又、先生は素早い動きをしながらも常に最大の力で攻撃ができる状態にあるので、攻撃するどころではなく逃げだしたくなるような恐くてたまらない状態でした。

 ということで、天野先生との組手はなにもできませんでしたが、これからも少しでも先生に近づくように太気拳の練習を続けていきたいと思います。