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会員・会友員のテクスト 富川リュウの太気拳修行記

第十一部・春の章

腰痛再発

腰を痛めた。ここのところ、引越しがあったり、転勤に伴う引き継ぎ業務などなどの超多忙な日々を過ごしていたので、身体に疲れがたまっていたのかもしれない。 3月21日の朝、起きたら腰が痛くなっていた。

若いころはいくらでも寝られたものだが、ここ最近は老人体質になってきていて、あまり寝られない。だいたい昼寝しても30分。夜もおよそ7時間くらいしか寝られない。それが腰を痛めてからは、昼寝は2時間、夜は9~10時間と、いっぱい寝られた。そんな日々が三日間ほど続いたが、疲れた体、壊れた体を治そうとする自然の治癒力とは、たいしたものだと思った。

腰を痛めた原因は他にもあった。それは、毎朝の立禅での体の使い方。1月から2月の中旬までは、肘にのっかって体を伸ばすような比較的楽な立禅をしていたが、2月の中旬から3月に掛けては、逆に体を沈めながら手を持ち上げるような立禅をしていた。このときにフォークリフトにならないようにと気をつけていたつもりではあったが、やはり背筋を使いすぎていたのだと思う。

ハラがヒクヒク

さて、背筋を使わずに手を持ち上げるにはどうしたら良いか。そしてとりあえず、腰痛を再発させないためには、どういう体の使い方をすれば良いのか。ヒントは嘔吐と排便にあった。(汚い話でスミマセン) それが出ていくときの管のヒクヒク感。これを腹部に保つような立禅をやり始めた。

ノドがヒクヒク

4月4日のお花見交流会、まだ腰の完治していないトミリュウは見学のみ。ここの醍醐味は酒の席でのミニ講習会。なにしろ大御所の大先生が4人もいるのだから、いろんな人がいろんな質問をしたりして、あちこちで缶ビール片手に立ちあがって、実演を交えた指導が始まる。トミリュウも佐藤聖二先生から、立禅の首の位置を直していただいた。その翌日から聖二先生に指摘された部分を自分なりに調整してみて「なんだ、首もヒクヒクさせておけばいいんだ」ということが分かった。

マタタキ感

さてここで2日、3日と続けていく内にあらたな課題が出てくる出てくる。ノドをヒクヒクさせておくには、肩をヒクヒクさせておかなければならない。肩をヒクヒクさせておくには、肩甲骨をヒクヒクさせておかなければならない。肩甲骨をヒクヒクさせておくには、背中をヒクヒクさせておかなければならない。ってことは、全部ヒクヒクってことか?じゃあついでにこのヒクヒク感とマタタキ感をシンクロさせ同調させたらどうなるか、むむむ、なんだか楽しくなってきたぞ。

引き上げて貼り着く

5月2日、久しぶりに日曜日の岸根公園での稽古に参加できた。しかし「トミリュウのヒクヒク立禅はただのっかってるだけで、力が無いよ」と天野先生のご指摘。「ダルマ落としのセンターに穴をあけ、針金を通してギュッと締め上げる様に」とのこと。だけどこの日の組手はさんざん。なんだか全く動けませんでした。

翌日からまたまたヒクヒク立禅に工夫をこらす。16番先輩に以前言われたパックマンを思い出す。力は丹田に集約し踵には乗らない。踵を引き上げることで、踵に重さが出て地面に貼り着くようになる。重くて軽い立禅。軽く動けて、重く力を出せる立禅。天野先生が言っていたのもこれのことなんだな、と一人納得。いろんな人にいろんな方法で教えていただいていたことが、今やっとここで実現できた。そしてこれが「背筋を使わずに手を持ち上げるにはどうしたら良いか」の問いに対しての回答にもなった。

単身赴任

3月12日に広島県広島市に引っ越した。しかし引越しとはいえ単身である。愛妻を茅ヶ崎に残してのアパート暮らしはわびしいものだ。3月は引き継ぎ業務などの関係で、東京・品川での勤務が2週間ほどあったが、4月からは本格的に広島での勤務となった。はじめは月に3回くらい、土日を茅ヶ崎で過ごそうと思っていたが、飛行機での移動も結構体が疲れるようなので、月に2回ほどに落ち着きそうだ。広島で土日を過ごしても、タンゴも太気拳もポン太もいないのでヒマだ。近所のダンススタジオでヒップホップダンスなどを習ってみようかと思案中である。