カテゴリー
会員・会友員のテクスト 会員紹介

会員紹介 浅野一

 会員紹介の記念すべき第一回は、太氣会最古参の浅野一先輩です。
 天野先生とは横浜太氣拳研究会からの長いお付き合いです。
 面倒見の良い「昭和の兄貴」といったキャラクターで、真面目で稽古熱心なことでは右に出る者がなく、小柄ながら接近戦も中間距離もこなせるファイターです。
 聞き手の個人的な思い出としては、身長差20センチ以上、体重差で30キロはある筈の先輩(この人も十年以上のキャリアがあり、その前も格闘技経験者です)を軽く手玉に取り地面に組み伏せてしまったことがあります。

IMG_2104

会員一問一答

――太気拳修行歴(年数)
 24年
――太気拳以前の武術・格闘技やその他のスポーツ歴
 ボクシング・徒手格闘技・グローブ空手
――太気拳を始めようと思ったきっかけ
 競技者としての自分の先が見えてしまった1991年、当時の練習仲間から立禅を紹介されて、半信半疑で組んでいたら攻撃力と反射速度が上がったのを自覚して、これは何だろうと
――太氣会を選んだ理由
 練習仲間が太氣会の前身にあたる横浜太氣拳研究会の会員だったので、その縁で
――太気拳を始めるにあたって迷ったり躊躇したりしましたか。その時の心境等を教えて下さい
 素面素手の組手をやっていることを聞いていたので、どうなるのかと緊張していた
――稽古に参加して最初に印象に残ったことはなんでしょうか
 立禅に代表される外から見て動かない稽古と激しい組手とのギャップ
――稽古で今までで記憶に残っていること、印象的なこと、面白かったこと等を教えて下さい
 それまで自分がこうであるに違いないと思い込んできたことや何の疑問も感じないままでやってきたことが間違いだったと分かることが楽しい
――稽古を通じ、以前と変わったと思うのはどんなところでしょうか。逆に変わらないところもあれば教えて下さい
 生きていく上で物事を本質的に捉えようとする意識を持てるようになったが臆病なところは変わらない
――太気拳を始めて良かったと思うのはどんな時ですか
 人生が豊かになった
――稽古の中で、今課題としているのはどんなことでしょうか
 頭で考えず身体で感じる
――今はどんな気持ちで練習に向かい合っていますか。またどんな自分になりたいですか
 なっていないことばかりなのでなれるようになりたい
――武術以外の楽しみがあれば教えて下さい
 タイ語学習
――これから太気拳を始める人、入会を迷っている方などに一言あればお願いします
 やらずに後悔するよりやって後悔

ショートインタビュー

――太氣会最古参の浅野さんということで、昔の太氣会、太氣会になる以前の横浜太氣拳研究会時代のことについてお伺いしてみたいです。当時はどういった雰囲気だったのでしょうか。
 殺伐としていたね。入門してくるのは何かの格闘技の経験者ばかりなんだけど、一通り立禅のやり方とかを教えて、それから組手になる。すぐに顔に痣作って。その後「○○さん」とか紹介されるんだけれど、もう次から来ない、というようなことがよくあった。平気で拳入れてくる先輩とかもいたし。
 当時は神宮の先輩たち、天野先生のお兄さんや久保先生、斎藤昭先生、天野先生の空手つながりの古川先生などが一緒にやっていた。
 立禅や這などの静かな稽古の後、いきなり組手になって、そのギャップがストレスになっていた。つながらないし、分からないから。
 自分は元々グローブでやっていたので、素手素面の組手とはどういうことになるんだろう、と思っていた。拳で殴られるわけだから。
 (註:現在の太氣会では入門していきなり組手をさせる、ということはありません。また組手はお互いコントロールしたやり方でやっており、最近では頻繁に組手が行われているわけでもありません)
――当時と今、どちらの太氣会の方が良いと思いますか。
 今の方がいいね。普通の人が強くなって組手ができるようになる、というのはすごいことだよ。
――浅野さんが今後指導する立場になるとしたら、どういう教え方をしていきたいですか。
 教えるなんてことはできないよ。そんなおこがましいことはできない。
 天野先生を見ているから。どれだけ厳しいことなのか見ているからね。そんな大それたことはできないよ。