震動・・・
2014年の夏合宿の課題は「震動」。
震動は太気拳の核になるもので、連続する身体内の力の転換です。
立禅や半禅では様々な注意点がありますが、それらはすべて震動につながります。
基本は立禅の中で、上下の張りを感じるところから始まります。
足は小指からじっくりと地を掴むように立ち、膝は僅かに外に張ります。
その上であたかも座り込む様でもあり、立ち上がる様でもある、と言った気持ちの変化が生み出す身体内の転換です。頭の位置や肩の水平、胸の張り具合も重要だし視線の位置も大事です。
そしてその転換をより小さくより速くしていきます。小さな震動が大きな動きよりも大事なのは、繰り返される高速の震動が神経や脳の活動の亢進を促すからです。大きく動けばそれだけ時間が掛かりますが、小さければそれだけ緊張感が高まります。
小さく速い振動は動画にしてみてもただ立っているように見えるだけですが、合宿では皆に身体を触れてもらったりして感じ取る機会があったので、それを思い出してもらえれば良いでしょう。
触れて感じ取ったものを、自分で作り上げる工夫が稽古で求められます。
また静から突然表出する動も試してください。
例えば、手を前に出しその上に相手の手を置いてもらい、そこから急激に手を跳ね上げます。手の動きで跳ね上げるのではなく、その源の震動を探ります。
中国拳法の南派と言われるものの中に「震脚」と言われる稽古方法がありますが、
これも震動を求めるための稽古法です。
動画には足を小さく速く力強く踏み込むことで震動を生み出し、それを相手に伝えるもの。
そして、動作を小さくして震動を相手に伝える動きをアップしました。相手に腕を押さえてもらってからの震動の伝達です。雰囲気を思い出して稽古の実りの助けにしてください。