投稿者: amano
「練り」・・・静から動への展開―用勁の基礎訓練法―2h
稽古生がお互いに交代しながらの用勁訓練法。
単純な動きで勁力を探る「試力」から、同じように腕に抵抗を受けながら、より自由度を高め展開させる訓練に移行。相手に腕を捕らせ、その抵抗を押しのけながら様々な展開を知り勁力で相手をコントロールすることを学ぶ。一人稽古の「試力」と「推手」の橋渡しになる稽古。推手には勁力が必須なので、推手を行う際の最低限の基礎です。
練りはただ動くのではなく、すべてに於いて勁力に満ちていなければなりません。全身に抵抗感を感じながら、それを押しのけていく力が勁力です。
練りは立禅からの発展です。
組手などで最も要求されるのが素早い変化です。
何時でも腰から動けることが大事です。
ボクシングのように上体だけスウェイするような変化では体当たりするような相手には通用しません。
相手の打ち気をそらせたり、逆一瞬の隙に入り込む。
その為には、軽快に動ける足捌きが必要になります。
静が動に展開を歩法に例をとると良く判ります。
半禅は左右がありますが、それが反転しながら展開すると歩法、
ここでは歩み脚の歩法に簡単に移行します。
脚だけではなく、両腕で作り上げた内外の空間感覚も動いても失われません。
静の延長に動があり、動は静に根拠を置きます。
立禅の要求に樹を抱くように、と言うのがあります。
樹を抱きながら動けば歩法に移行するわけです。
練りは唯腕を動かすのではありません。基本は指先を動かさずに手首を動かし、
それが肘に伝播し肩そして背、最終的には腰を経て脚に至るように稽古します。
ですから当然歩法に至ります。手と脚が連携して柔軟に動けるようにします。
発力・発勁は六面力の展開形式の一つです。六面力は静に依って得られるものなので、展開にも速度は要求されません。ゆっくり力の方向を研究することが大事です。この動画は前方への形式ですが、もちろん六面全てに展開する事が出来ます。これも研究課題です。
静から動への展開・・・立禅
立禅は太気拳の基本で、「樹を抱くように立つ」と言われます。
樹を抱くようにとは何を意味するか。
もちろん一つではありませんが、最も重要な部分を相撲用語で言えば「腰を割る」になります。
腰を割る、に対して正反対の状態を同じ相撲で「膝が内に入る」と言います。
「膝が内に入って崩れ落ちる」等と言い、怪我の大きな原因の一つです。
つまり「膝が内に入る」即ち「崩れ落ちる」。
だから「膝が内に入」らないように「腰を割る」が重要になります。
つまり腰を割った状態で立つことを要求するのが立禅です。
そして静で知ったその働きが動に展開される。
つまり静の動への展開です。
発力や発勁と言うと、人を弾いたり引き倒したり、
或いは打法として理解されていたりします。
しかし、発力・発勁と言うのは拳に特有の運動様式・形式を言います。
発力形式あるいは発勁様式です。
この動画は半禅と言う静的な稽古から動へ発展そして歩法への展開です。
静から動へ展開し、再び静に収束します。